交通事故の後遺症|症状ごとに後遺障害全14等級の基準を解説

2020/02/03

交通事故で後遺症を負った!

後遺障害等級の認定ってなに?

症状ごとの後遺障害等級を知りたい!

このページをご覧のあなたは、このようなことでお悩みではありませんか?

交通事故の主な後遺症ごとに後遺障害等級を解説。
交通事故の後遺症のお悩みに弁護士がお答えします。

交通事故の後遺症|後遺障害等級認定とは?

交通事故の被害に遭ったとき、治療を終えても傷害が残存してしまうことがあります。 この残存した症状を一般用語として後遺症と言います。

後遺症のうち、一定の要件に適う症状は後遺障害として認められる可能性があります。

後遺障害が認定されると、後遺障害慰謝料や逸失利益などが認められ、もらえる補償金の大幅な増額が見込めます。

交通事故の後遺症|症状ごとの後遺障害等級

後遺障害は全部で14の等級に分かれています。

後遺障害全14の等級の慰謝料や労働能力喪失率など網羅的に知りたい方はコチラをご覧ください。

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ここでは代表的な症状がそれぞれ何級にあたり得るのかを確認していきます。

神経症状|首や肩や腰の痛み、手先のしびれ、めまい、頭痛

交通事故の後遺症としては、よく首肩腰の慢性的な痛み、しびれ、めまいや頭痛などが問題となります。

これら症状を引き起こす傷害には色々なものがありますが、代表的なものとしては椎間板ヘルニアむちうちが挙げられます。

 

神経症状を引き起こす代表的な傷害

症状
椎間板ヘルニア背骨の椎骨の間に挟まる椎間板が、事故の衝撃などによりはみ出すという傷害。
はみ出した椎間板が神経を圧迫する等して様々な症状を引き起こす。
むちうち事故に遭ったとき、首がむちうつようにしなることで後々、様々な神経症状を引き起こす傷害。
むちうちは正式な傷病名ではなく、診断上は頚椎捻挫、頚部挫傷などと呼称される。

これら傷害によって引き起こされた神経症状は、後遺障害の12級、もしくは14級に該当し得ます。

 

神経症状で認定され得る後遺障害等級

症状
12級13号局部に頑固な神経症状を示すもの
14級9号局部に神経症状を残すもの

 

12級13号となるか14級9号となるかは、傷害の存在が医学的に証明できるかどうかによります。

医学的に証明できるというのは、たとえばMRIやX線といった画像診断などによって、傷病の存在が客観的にわかるものを言います。

たとえば頚椎や脊椎が明確に変形していたり、損傷していたり、ヘルニアになっているのが認められる病態です。

客観的な所見が得られない場合であっても、関節可動域の測定、筋力の測定、腱反射・病的反射テスト、知覚検査、またスパーリングテストやジャクソンテストなどの神経学的検査によって自覚症状が客観化されれば14級に認定され得ます。

 

実務上の傾向

ただし相手方保険会社との交渉においては、本当にその症状が交通事故によって引き起こされたものなのかどうかがよく争いになります。

例えば画像所見として椎間板ヘルニアが判明したとしても、そのヘルニアが交通事故をきっかけに生じたのか議論になり得るわけです。

仮に、交通事故を由来とする怪我ではないと判断されれば、後遺障害等級の認定を受けられない可能性もあります。

脳の損傷|脳挫傷、くも膜下出血、硬膜下血腫

脳に傷害を負ったとき、「高次脳機能障害」「麻痺」「遷延性意識障害」「運動障害」「感覚障害」「てんかん」等の後遺症が残存し得ます。

例えば「手足が麻痺で動かなくなった」「視力や聴力が落ちた」という場合、症状の程度が数値化されやすいため、後遺障害の等級が何級になるか明解な場合が多いです。

一方、高次脳機能障害については、症状の軽重が数値化しにくく、また後遺障害等級の認定基準も不明確であるため、争いが生じやすくなります。

交通事故によって負った高次脳機能障害は、主に以下の後遺障害等級に認定され得ます。

 

脳損傷の後遺障害等級(要介護)

障害の内容
第一級①神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
第二級①神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの

 

脳損傷の後遺障害等級

障害の内容
第三級③神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
第五級②神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
第七級④神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
第九級⑩神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
第十二級⑬局部に頑固な神経症状を残すもの
第十四級⑨局部に神経症状を残すもの

 

各等級の具体的な認定基準について知りたい方はコチラをご覧ください。

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手足の傷害|骨折、短縮、切断、関節の障害

手足に傷害を負ったとき、切断や短縮、変形、関節可動域の制限などといった後遺症が残り得ます。

これらの後遺症は以下の後遺障害等級に認定される可能性があります。

障害の内容
第一級③両上肢をひじ関節以上で失ったもの
④両上肢の用を全廃したもの
⑤両下肢をひざ関節以上で失ったもの
⑥両下肢の用を全廃したもの
第二級③両上肢を手関節以上で失ったもの
④両下肢を足関節以上で失ったもの
第三級⑤両手の手指の全部を失ったもの
第四級④一上肢をひじ関節以上で失ったもの
⑤一下肢をひざ関節以上で失ったもの
⑥両手の手指の全部の用を廃したもの
⑦両足をリスフラン関節以上で失ったもの
第五級④一上肢を手関節以上で失ったもの
⑤一下肢を足関節以上で失ったもの
⑥一上肢の用を全廃したもの
⑦一下肢の用を全廃したもの
⑧両足の足指の全部を失ったもの
第六級⑥一上肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの
⑦一下肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの
⑧一手の五の手指又は親指を含み四の手指を失ったもの
第七級⑥一手の親指を含み三の手指を失ったもの又は親指以外の四の手指を失ったもの
⑦一手の五の手指又は親指を含み四の手指の用を廃したもの
⑧一足をリスフラン関節以上で失ったもの
⑨一上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
⑩一下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
⑪両足の足指の全部の用を廃したもの
第八級③一手の親指を含み二の手指を失ったもの又は親指以外の三の手指を失ったもの
④一手の親指を含み三の手指の用を廃したもの又は親指以外の四の手指の用を廃したもの
⑤一下肢を5センチメートル以上短縮したもの
⑥一上肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
⑦一下肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
⑧一上肢に偽関節を残すもの
⑨一下肢に偽関節を残すもの
⑩一足の足指の全部を失ったもの
第九級⑫一手の親指又は親指以外の二の手指を失ったもの
⑬一手の親指を含み二の手指の用を廃したもの又は親指以外の三の手指の用を廃したもの
⑭一足の第一の足指を含み二以上の足指を失ったもの
⑮一足の足指の全部の用を廃したもの
第十級⑦一手の親指又は親指以外の二の手指の用を廃したもの
⑧一下肢を3センチメートル以上短縮したもの
⑨一足の第一の足指又は他の四の足指を失ったもの
⑩一上肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの
⑪一下肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの
第十一級⑧一手の人差し指、中指又は薬指を失ったもの
⑨一足の第一の足指を含み二以上の足指の用を廃したもの
第十二級⑥一上肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
⑦一下肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
⑧長管骨に変形を残すもの
⑨一手の小指を失ったもの
⑩一手の人差し指、中指又は薬指の用を廃したもの
⑪一足の第二の足指を失ったもの、第二の足指を含み二の足指を失ったもの又は第三の足指以下の三の足指を失ったもの
⑫一足の第一の足指又は他の四の足指の用を廃したもの
第十三級⑥一手の小指の用を廃したもの
⑦一手の親指の指骨の一部を失ったもの
⑧一下肢を1センチメートル以上短縮したもの
⑨一足の第三の足指以下の一又は二の足指を失ったもの
⑩一足の第二の足指の用を廃したもの、第二の足指を含み二の足指の用を廃したもの又は第三の足指以下の三の足指の用を廃したもの
第十四級⑥一手の親指以外の手指の指骨の一部を失ったもの
⑦一手の親指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの
⑧一足の第三の足指以下の一又は二の足指の用を廃したもの

 

各等級の具体的な症状について知りたい方はコチラをご覧ください。

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顔の傷、醜状障害

顔や上肢、下肢に傷痕が残ってしまった場合、これも後遺障害に認定され得ます。

 

醜状障害の後遺障害等級

傷害の内容
第七級⑫外貌に著しい醜状を残すもの
第九級⑯外貌に相当程度の醜状を残すもの
第十二級⑭外貌に醜状を残すもの
第十四級④上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
⑤下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの

 

ここでいう手のひらの大きさというのは、指の部分を含めない程度のものとなります。

7級、9級、12級の醜状は、それぞれ具体的に以下のように定義されています。

後遺障害認定される醜状障害の程度

内容
第七級・頭部に残った手の平大以上の瘢痕または頭蓋骨の手の平大以上の欠損
・顔面部に残った鶏卵大以上の瘢痕または10円硬貨大以上の組織陥没
・頸部に残った手の平大以上の瘢痕
第九級・顔面部に残った長さ5センチメートル以上の線状痕
第十二級・頭部に残った鶏卵大以上の瘢痕または頭蓋骨の鶏卵大以上の欠損
・顔面部に残った10円硬貨以上の瘢痕または長さ3センチメートル以上の線状痕
・頸部に残った鶏卵大以上の瘢痕

たとえ顔に傷痕が残ったとしても、ここに挙がっている醜状未満のものである場合、後遺障害に認定されない可能性もあります。

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